2011年度その他の改正税制
消費税
(1) 免税事業者要件の見直し
【現行】
前々年(個人)又は前々事業年度(法人)の課税売上が1,000万円以下である場合は、消費税の納税義務が免除されています。
【改正後】
次の課税売上高が1,000万円を超える場合には、消費税の免税事業者に該当せず、課税事業者となります。
- ① 個人事業者の場合
前年1/1~6/30までの間の課税売上高 - ② 法人の場合
前事業年度の開始の日から6ヶ月(上半期)の期間
例えば…
前々事業年度の課税売上高 800万円
前事業年度の上半期の課税売上高 1,100万円
この場合、現行では前々事業年度の課税売上高のみで判定をしていたので免税事業者でしたが、今回の改正では課税事業者となります。
なお、前半6ヶ月間の課税売上高に代えて、同期間の給与支払額が1,000万円を超えているかどうかで判定することもできます。
※平成25年1月1日以後に開始する年または事業年度から適用されます。
(2)仕入税額控除の95%ルールの見直し
【現行】
課税売上割合95%以上の場合、課税仕入等の税額の全額が控除対象仕入税額となっていました。
【改正後】
課税売上高が5億円(その課税期間が1年に満たない場合は年換算)を超える法人・個人事業者は対象外となりました。
従って、課税売上高が5億円を超える場合、又は課税売上割合95%未満の場合には、「個別対応方式」若しくは「一括比例配分方式」のいずれかの方法により仕入税額控除の計算を行うことになります。
課税売上割合95%以上 | 課税売上高5億円以下 | 全額控除 |
---|---|---|
課税売上高5億円超 | 個別対応方式・一括比例配分方式 | |
課税売上割合95%未満 | 個別対応方式・一括比例配分方式 |
平成24年4月1日以後に開始する課税期間から適用されます。つまり、3月決算法人は24年度(24年4/1~3/31)から、個人事業者は25年分から適用になります。
所得税制
(1) 年金所得者の申告手続等の簡素化
公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつ、その年金以外の他の所得が20万円以下の者は所得税の確定申告書の提出が不要となりました。
(注)所得税の還付を受けるための申告書提出はできます。
※平成23年分以後から適用されます。
(2) 認定NPO法人等に対する寄附金の税額控除
個人が支出した認定NPO法人及び一定の公益社団法人等に対する寄附金で、その寄附金が2,000円を超える場合には、その超える金額の40%相当額をその年分の所得税額から控除することができます。
(対象寄付金額 - 2,000円)× 40% = 所得税額控除
ただし、その年分の所得税額の25%相当額が限度となります。
※平成23年分以後から適用されます。
(3) 証券優遇税制の2年延長
上場株式等の配当等及び譲渡所得等にかかる10%軽減税率(所得税7%、住民税3%)の適用期限が平成25年12月31日まで2年延長されました。