2009年度改正税制 相続税関係

養子縁組による相続対策

相続税における養子縁組のメリットは主として次のようなものです。

  • 相続税の基礎控除額(1人1,000万円)、生命保険や死亡退職金等の非課税枠(1人500万円)が拡大します。
  • 相続税を計算する際の税率が下がり、相続税が軽減されます。
  • 孫と養子縁組をすれば、相続税が課税される機会を1世代飛び越すことができます。

[具体例]

  • 財産3億5千万円で配偶者なしで子供2人の時に、養子縁組をして相続人が3人になった場合
  • 相続人が1人増えるため基礎控除額は1,000万円増え、相続税の総額も7,800万円から6,000万円になるため、1,800万円節税できます。
相続人の人数に対する基礎控除額と相続税額
相続人の人数基礎控除額相続税の総額
現状(相続人2人)7,000万円7,800万円
養子縁組後(相続人3人)8,000万円6,000万円
差額+1,000万円▲1,800万円

注意点1:養子の数の制限

法定相続人の数に含めることができる養子の数は、実子がいる場合は1人、実子がいない場合は2人まで認められます。なお、民法上は養子の数に制限はありません。

注意点2:孫を養子にした場合は2割加算

孫(代襲相続をする孫を除く)を養子にした場合は、孫が取得した財産の相続税負担額が2割加算されます。

注意点3:養子が認められない可能性もある

相続税を不当に少なくするために養子縁組が行われたと判断された場合は、相続税の計算上は養子がいないものとされます(養子縁組自体が取り消されるというものではありません)。
 例えば・・

  • 将来お墓を守ることになる孫に自分の遺産を遺したい
  • 自分の面倒をみてくれた息子の嫁を養女にして遺産を遺して感謝の気持ちを示したい…など

従って、養子縁組による相続の際の節税はあくまでも結果であり、それが目的とはなり得ません。

    

注意点4:相続人の間でトラブルになる可能性も

養子縁組を結ぶことにより、他の兄弟と同様の相続権が発生します。財産がある場合は、事前に家族間で充分な話合いが必要となります。たとえば、兄弟が数人いる場合に、特定の兄弟の子を養子にする場合は、その家族だけ相続分が増えることになり、円滑な相続のためには、他の相続人との公平を図ることが必要となります。

相続税(贈与税)制

(1)非上場会社株式等についての相続税の納税猶予制度等の創設

一定の要件の下で、非上場会社の経営を承継する相続人がその会社の株式等を相続した場合、その株式等に係る課税価格の80%に対応する相続税の納税が猶予されます。

なお、この制度は、平成20年10月1日以降の相続に遡及して適用されます。

(2)非上場会社株式等についての贈与税の納税猶予制度の創設

一定の要件の下で、認定中小企業者の代表者から株式等を贈与され、その会社を経営していくこととなった後継者は、その贈与に係る贈与税の全額が納税猶予されます。

また、贈与の死亡時には、株式等を相続により取得したものとみなし、経済産業大臣の確認を受けた場合に、相続税の納税猶予が適用されます。

(3)住宅取得のための時限的な贈与税の軽減

平成21・22年において、20歳以上の者が直系尊属(父母、祖父母など)から住宅取得資金の贈与を受けて、翌年3月15日までに住宅等を取得し、遅くとも年末までに居住の用に供した場合、500万円までは贈与税を非課税にするというものです。

実際には、この500万円に暦年課税を選択すれば、基礎控除110万円とあわせた610万円までが非課税となり、相続時精算課税を選択すれば、3,500万円とあわせた4,000万円までが非課税となります。
贈与・相続を考える上では、かなり有利な規定です。

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