2009年度改正税制 その他の税法関係 2
金融・証券税制
平成21年1月1日から平成23年12月31日までの間の上場株式等の配当所得及び譲渡所得に対する税率は、引き続き10%(所得税7%、住民税3%)の軽減税率となります。
~平成20年 | 平成21年 | 平成22年 | 平成23年 | 平成24年~ | |
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税 率 | 10% (所得税7%+住民税3%) | 20% (所得税15% +住民税5%) |
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配当と 譲渡損の 損益通算 | - | 平成21年~ 確定申告による対応 平成22年~源泉徴収口座内における損益通算を 可能に |
所得税制
(1)住宅ローン控除の拡充
平成21年から平成25年までの住宅ローン控除が拡充されました。なお、今回の改正により、所得税額から控除しきれなかった金額があるときは、翌年度の個人住民税かのうち一定額(前年の所得税の課税所得金額の5%まで、最大9.75万円/年)を控除できることになりました。
居住年 | 控除期間 | 借入金の年末 残高の限度額 | 控除率 | 最大控除額 |
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平成21年 | 10年間 | 5,000万円 | 1.0% | 500万円 |
平成22年 | 5,000万円 | 500万円 | ||
平成23年 | 4,000万円 | 400万円 | ||
平成24年 | 3,000万円 | 300万円 | ||
平成25年 | 2,000万円 | 200万円 |
居住年 | 控除期間 | 借入金の年末 残高の限度額 |
控除率 | 最大控除額 |
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平成21年 | 10年間 | 5,000万円 | 1.2% | 600万円 |
平成22年 | 5,000万円 | 600万円 | ||
平成23年 | 5,000万円 | 600万円 | ||
平成24年 | 4,000万円 | 1.0% | 400万円 | |
平成25年 | 3,000万円 | 300万円 |
*認定長期優良住宅とは、長期優良住宅普及促進法により、建築に当たって計画が長期耐用で安全な一般基準を満たすものとして認定された住宅をいう。
(2)生命保険料控除制度の改組
従来の一般生命保険料控除と個人年金保険料控除に加え、新たに介護医療保険料控除が創設され、それに伴い控除限度額も変更となります。この制度は、平成24年分以後の所得税(住民税は平成25年分)から適用されます。
なおこの制度は、平成24年1月1日以後に締結した生命保険契約等について適用され、同日以前に締結した生命保険契約等は従前の制度を適用します。改正前と改正後の両方の控除の適用があるときの合計適用限度額は所得税12万円(住民税7万円)となります。
現 行 | 平成24年1月1日以後締結 | |
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一般生命保険料控除 | 5万円(3.5万円) | 4万円(2.8万円) |
個人年金保険料控除 | 5万円(3.5万円) | 4万円(2.8万円) |
介護医療保険料控除 | - | 4万円(2.8万円) |
(注)かっこ内は住民税の金額
年間の支払保険料等 | 控除額 |
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2万円(1.2万円)以下 | 支払保険料等の全額 |
2万円(1.2万円)超4万円(3.2万円)以下 | 支払保険料等×1/2 + 1万円(6,000円) |
4万円(3.2万円)超8万円(5.6万円)以下 | 支払保険料等×1/4 + 2万円(1.4万円) |
8万円(5.6万円)円超 | 一律4万円(2.8万円) |
(注)かっこ内は住民税の金額
3.土地税制
(1)土地の長期譲渡所得の1,000万円特別控除の創設
平成21・22年に土地等を取得し、5年を超えて所有して売却した場合には、譲渡益から1,000万円の特別控除を認める制度ができました。
個人・法人ともに適用となりますが、購入する相手方や法人の棚卸資産は除外など多少制限があります。この適用を受ける場合、購入の時期や金額を明確にしておくことが必要となります。
(2)土地等の先行取得した場合の譲渡所得の特例
平成21・22年に事業用の土地等を取得し、その後10年以内にすでに持っていた他の事業用の土地等を売却した利益を購入価格の80%(22年分は60%)を圧縮記帳(課税の繰延)ができるという規定です。
個人事業者及び法人ともに適用になりますが、適用に制限があります。また、取得した時の税務署への届出が絶対条件になっていますので注意してください。